マスティハ風味のギリシャコーヒー |
小麦粉のように細かく挽いた豆を、専用の小鍋に入れて直接煮出し、小さなカップで飲むコーヒー...要するに、トルココーヒーと同じようなものです。(注:だからと言って、ギリシャで「トルココーヒー」と言うと怒られる可能性大です^^;)
フィルターコーヒーやエスプレッソとは全然違う味わいですが、濃厚で薫り高く美味しいんですよ。
昔はスタンダードなギリシャコーヒーしか見かけなかったのですが、今は大きなカップで飲むタイプが出てたりと、少しバリエーションが増えてきているようです。パッケージも新鮮さが保たれる小袋入りタイプがあり、これはギリシャ旅行のお土産にも良さそう。
そして、最近発売されたフレーバーコーヒーがこちらです。
マスティハ風味のギリシャコーヒー。この他に、ウゾ風味と薔薇風味も出たのですが、一番無難そうなマスティハ風味のを買ってみました。
「マスティハって何?」という人の為に、ここでちょっと説明を。
↓これがマスティハ。
ヒオス島の特産品で、ギリシャではお菓子やリキュールの風味付けによく用いられる樹脂です。古代のチューインガムでもあったんですよ。
殺菌作用があり、ピロリ菌にも効くということから、日本でも結構話題になったそうですね。マスティハ配合のガムや歯磨き粉、化粧品はお土産にも人気のようです。
さて、上で紹介したマスティハ風味ギリシャコーヒーのお味は...もうちょっと、マスティハの香りがした方がいいかな~という感じでした。商品としては面白いですが、マスティハの粒を粉にして、自分でブレンドした方が好みの香りに調節できます。
コーヒーとマスティハって好きな組み合わせなので、以前からマスティハシュガーやマスティハリキュールをコーヒーに入れたりしてたんですよ。こちらでも紹介したフラッペ(ギリシャ風アイスコーヒー)に、マスティハリキュールやマスティハアイスクリームを入れたのは特におすすめです。
フレーバー付きギリシャコーヒーの粉は多分日本では入手不可ですが、普通のギリシャコーヒーの粉なら売ってるようなので、レシピを書いておきます。
ギリシャコーヒー(エリニコス・カフェス)
ギリシャコーヒーは、コーヒーの粉と一緒に最初から砂糖を加えて作ります。
デミタスカップで水を量り、人数分をブリキ(専用の鍋。無ければなるべく小さい鍋)に入れます。
一杯分はコーヒーの粉をティースプーン山盛り一杯に対し、砂糖の量は好みで
・スケトス:無糖
・メトリオス:ティースプーン一杯
・グリコス:ティースプーン山盛り一杯~一杯半
・ヴァリ・グリコス:ティースプーン2~3杯
※ギリシャコーヒーは砂糖を入れた方が美味しいです。
コーヒーと砂糖を加えたら、弱火でゆっくり温めます。最初はかき混ぜ、砂糖が大体溶けたら混ぜるのをやめます。
沸騰しそうになり、泡がブリキの縁までモワーッと上がってきたら(上の写真は、泡が上がってくる途中です)すぐに火から下ろしてカップに注ぎます。煮立ててしまうと香りが飛ぶので注意。普通の鍋なら同じように泡は上がらないので、沸騰直前ぐらいで火から下ろすのが無難です。
何人分かを一度に作るなら、泡が等分に行き渡るように注ぎましょう。この泡は「カイマキ」と呼ばれ、濃厚かつクリーミーであるほど良いとされています。
出来上がったコーヒーは一気に飲まず、粉がカップの底に沈むのを少し待って、ゆっくりすすります。甘~いギリシャコーヒーは、冷めても美味しいです。
※複数回熱する方法(ヴラストス)もあるのですが、ここではシンプルな方法をご紹介しました。