ヘルシーな、ギリシャのオリーブオイル料理 |

(えんどう豆のオリーブオイル煮)
ラデラは、オイル(ラディ)という言葉に由来することからもわかるように、オリーブオイル(エレオラド)をふんだんに使った野菜や豆の料理のことをいいます。
トマト味のラデラも多いですが、新大陸から来た野菜であるトマトが普及するまではレモンや未熟葡萄の汁、酢などで味付けされていました。主にズッキーニ、なす、いんげん、オクラなどがトマトで味付け、そら豆、アーティチョーク、にんじんなどがレモンで味付けされることが多いようです。
主役である野菜の他には、まずオリーブオイル。これはケチらずにたっぷり使うのがポイントで、野菜の味を引き出し、コクを出す役割を果たしているようです。ギリシャの人は、私達日本人からしてみればびっくりするくらい大量のオリーブオイルを料理に加えますが、そこまでしなくても充分美味しく仕上がりますからご安心を。
オイルをふんだんに使っているのに、ギリシャ料理、特にクレタ島の料理がヘルシーなのは、肉や動物性の脂肪を少ししか使わないから。ギリシャ人の基本的な食生活は、たっぷりの野菜・豆料理に、あとはパンやチーズ、オリーブなどで、とてもバランスがとれた食事と言えるでしょう。
新鮮な野菜とオリーブオイルの他に、主材料の味を引き立てる少しのハーブ類を加えたら、あとはお鍋まかせ。日本では野菜の歯応えを残して調理することが多いですが、ギリシャはその逆で、クタクタになるまで煮込んでしまう野菜料理が多いです。じっくり煮込むことによって歯応えはなくなるけど、代わりに野菜の持つ甘み、コクが出てくるのです。
出来上がったラデラがすぐ食卓に上ることはほとんどなく、大抵は室温ぐらいに冷まして食べます。基本的にギリシャ人はあまり熱々の料理を好みませんが、少なくともラデラに関しては、熱々の出来たてよりも少し冷ました方が味もなじみ、美味しく食べられるように思います。
オイルをたっぷり使った料理は冷蔵庫で数日もつので、常備菜として週に1、2度まとめて作っておく人が多いです。これらはギリシャの食卓では立派なメインディッシュですが、肉や魚料理の付け合わせとしても活躍します。
さやいんげんのヤフニ
材料:(副菜として4人分)
さやいんげん...500g
玉ねぎ...中1個
完熟トマト...中2個
オリーブオイル...大さじ4
塩...約小さじ1/2
赤唐辛子フレーク又は胡椒...好みで少々
①いんげんはヘタを切り落とし、筋があれば取り除き食べやすい長さに切る。玉ねぎは縦に半分、さらに横に半分に切ってからスライスする。
②トマトは半分に切ってヘタを取り、西洋おろし金の粗い目でおろす(普通に刻んでもいいです)。
③鍋に全ての材料を入れ、蓋をして火にかける。煮えてきたら弱火にし、40分~1時間、柔かくなるまで煮込む。途中何度かかき混ぜ、汁気が多ければ最後に蓋を取りシロップ状になるまで中火で煮詰め、塩で味を調える。
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例として、「ギリシャのごはん」アーカイブよりラデラをいくつかご紹介します。
・えんどう豆のオリーブオイル煮(写真のレシピ)
・ズッキーニのトマト煮
・ズッキーニのレモン&ガーリック煮
・アーティチョークライス
・ほうれん草ライス
・ポロねぎライス