ギリシャ風鱈フライのガーリックディップ添え(バカリァロス・スコルダリァ) |
ギリシャ正教の、今年の復活祭は4月4日。
敬虔な信者は復活祭の前に40日もの長い大斎(おおものいみ、食事を制限される断食期間)の決まりを守って肉・魚・卵・乳製品を口にしないのですが、生神女福音祭(受胎告知)とギリシャ独立記念日に当たる3月25日とパーム・サンデー(今年は3月28日)には魚を食べることが許されています。
特に、その日の伝統料理とされるのが干し塩鱈のフライで、これにはスコルダリァと呼ばれるニンニク風味のディップが添えられます。
干した鱈にはいろいろ種類がありますが、ギリシャで食べられるのは棒鱈のようにカチカチに硬いタイプではなく、しっとりと柔らかいもの。柔らかいタイプとは言え粗塩がたっぷりまぶされたそれは保存性が高く、新鮮な魚が手に入らない内陸部でも重宝されてきた魚です。
しっかり塩蔵されている為、塩抜きには結構時間がかかります。個体差や水を換える頻度にもよりますが、丸2日ぐらいはかかるでしょうか。
まずはまぶされた塩をしっかり洗い流し、私はこの時点で適当な大きさに切り、皮も剥いてしまいます(料理によっては皮は取らない)。たっぷりの水に浸け、日に数回水を換えつつ適度な塩気が残るぐらいに塩抜きしたら料理に使える状態に。塩の残り具合は、細かい骨を抜く時に中に少し付いた身を味見して判断するのが確実です。
さて、こうやって塩抜きした鱈ですが、フライにする場合はもうひと手間かけるのが美味しく食べるコツです。そのまま揚げてしまうと水気が出てカラッと揚がらないので、しっかり水切りします。これにはまな板などで挟み重石をするといいですが、私はピチットシートに包んで余分な水気が抜けるまで置きます。
あとはお好みの衣をつけて揚げるだけ。シンプルに小麦粉をまぶすだけでもいいし、天ぷらのような衣でもビール衣でも。ただ、禁止食品を使わないなら卵や牛乳は入れないで下さいね。
日本ではギリシャで売ってるような干し鱈は入手しにくいので、簡単に手に入る甘塩鱈で気軽にお試し下さい。
ギリシャ風鱈フライのガーリックディップ添え(バカリァロス・スコルダリァ)
材料:(2人分)
*じゃがいも...中2個
*塩
*ニンニク...ジューシーなもの1かけ
*ワインビネガー...約大さじ2(好みの量)
*オリーブオイル...大さじ3
甘塩鱈...250g
薄力粉...1/2カップ+ひとつかみ
胡椒...適量
ベーキングパウダー...小さじ1/2
ウォッカ...大さじ1(無ければレモン汁大さじ1/2)
水...約80ml
揚げ油...適量
1)*の材料でポテトのスコルダリァ(ガーリックディップ)を作る。じゃがいもは皮を剥いて適当な大きさに切り、柔らかくなるまで茹でる。水気を切ってポテトマッシャーかフォークで潰し、おろしたニンニクと塩、ワインビネガー、オリーブオイルを加え好みの味に調える。
2)鱈のフライを作る。甘塩鱈は好みの大きさに切り、キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取る。ナイロン袋に薄力粉ひとつかみを入れ、鱈を入れてまんべんなくまぶす。
3)薄力粉1/2カップ、胡椒適量、ベーキングパウダーをボウルに入れる。分量の水にウォッカ又はレモン汁を入れ、粉類に加え泡だて器で混ぜて衣を作る。薄付きにしたい場合は緩めに、ぽってりとした衣が好きなら濃いめに調整してください。
4)揚げ油を中温に熱し、鱈を衣にくぐらせて揚げる(結構油がはねるので、オイルはね防止スクリーンがあれば使うといいです)。カラッときつね色に揚がったら油を切り、器に盛ってスコルダリァを添える。
ギリシャ風鱈フライのガーリックディップ添えには、これまた相性抜群のビーツサラダを組み合わせるのがおすすめ。最近は日本でもビーツが手に入りやすくなったので、お近くで買えるなら是非この献立でどうぞ!
※ビール衣にする場合は材料のウォッカまたはレモン汁はなしで、水のかわりにビールで粉を溶きます。
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